初めてのゲーミングミキサーを検討している人にちょうどよい
今回は、コスパの良いマイク製品を多く販売しているfifineというメーカーから発売されている、オーディオインターフェース兼ゲーミングミキサーの fifine SC3についてレビューしていきます。
Writer:アケサカ (ガジェットブロガー)
ついつい日々新しいガジェットを買ってしまうので、少しでも誰かの役に立てばと思ってレビューをしています。趣味は音楽とキャンプ。仕事はメディア関係。
上記にて本記事とほぼ同じ内容が動画で視聴できます。
オンラインでゲームをするときに、こんなこと思った方はいらっしゃいませんでしょうか。
- ボイスチャットをしながらゲームするとき1つのヘッドホンの中でうまく音量バランスと調整したい
- ボイスチャットで使う音声を向上させるため、良いマイクを使いたい
- 音量調節やミュートを手元ですぐに行いたい
オーディオインターフェース兼ミキサーって何?って思った方は、だいたい↑のようなことが1台でできるデバイスだと思ってください。
パソコンやSwitchなどのゲーム機に接続することで、音声を入出力できるようになります。
この手の商品の定番としてはYAMAHAのAG03MK2という製品があります。昔からの人気機種で、性能や使い勝手は間違いありません。価格も約2万円と程よいところですが、とはいえちょっと家でオンライン会議を良くしたいみたいなニーズには少しばかり高級品だと思います。
そんなとき、いい選択肢になりそうなのが今回の製品です。価格はAG03の3分の1以下。
本体の質感は価格なりで、高級感があるわけではありませんが、以下の特徴があります。
- XLR接続でダイナミックマイクやコンデンサーマイクが接続できる
- ヘッドセット入力、LINE INやLINE OUTなど入出力が一通りそろっていて、かつ音量調節とミュートボタンがそれぞれ独立して存在している
- 別途電源不要でUSB接続のみで使え、パソコン、ゲーム機(Switch等)、スマホ(iPhone)などで認識できる
- ボイスチェンジャーや効果音出し機能などオマケ機能もある
YAMAHAのAG03と比べると、出力がステレオジャックのLINE OUTのみ、楽器が接続できない、イコライザーやコンプレッサーが無い、ループバック機能がない。といった差は少々ありますが。これらの機能が不要だという方にはむしろそれ以上に価格がメリットになるケースも多いと思います。
音質は思ったより悪くない
接続端子は画像の通りで、XLRのコンボジャックと4極ヘッドセットの入出力がそれぞれ1つずつあります。ファンタム電源に対応しているのでコンデンサーマイクも使えることに加えて、ダイナミックモードとコンデンサーモードを切り替えるスイッチがあり、ダイナミックモードだと多少入力のゲインが向上します。よく、ダイナミックマイクを使うと音量が取れなくてマイクプリアンプを別途用意しないといけないケースがありますが、そのあたりの心配が多少なくなります。
具体的な音質に関しては動画バージョンで視聴していただくのがわかりやすいと思いますが、同じマイクを使ってAG03と比較すると多少はAG03のほうが音質がいいなと感じるところはありますが、fifineがめちゃくちゃ悪いというわけではありません。実用の範囲だと思います。
ボーカルを録音したいといった音質重視な用途を考えているのであれば素直にもっとハイエンドな機種を選ぶべきだと思います。
iPhoneなど複数の端末に接続して音質を見てみましたが、やはり大抵の場合においてXLR接続のダイナミックマイクを接続すると、ノイズが少なくなったり、クリアになったり、声に芯が出たりと、音声の音質は向上していると感じました。パソコンでオンライン会議を良くする人や、ゲーム配信をする人はもちろん、よくスマホで雑談配信などでライブ配信される方などにも効果が期待できるのではないでしょうか。
音質はダイナミックマイクやコンデンサーマイクには劣りますが、ヘッドセットでもノイズの無い通話ができます。
使い方や設定の手順
パソコンで使う際に複雑な設定は不要です。基本的にUSBで接続するだけですぐに使えるようになります。音声出力先としてSC3が選択できるようになっているのでそちらを選択すると、音声が接続されたヘッドフォンやLINE OUTから聞こえるようになります。
録音する場合でもマイクの選択でSC3を選択してください。ZOOMやDiscord、OBSなどでマイクの設定の部分から選択できるようになっていると思います。
SwitchやiPhoneでも接続するだけで問題なく使えるようになりました。(iPhoneに接続するときはUSBカメラアダプター経由で外部電源を接続してください)
その他、細かい機能についての説明は以下です。
- ボイスチェンジャーは6種類のボイスチェンジができる。ボタン長押しでON/OFF
- いかにもゲーミングなLEDボタンは、単色やOFFなどにボタンで変更可能
- キー変更ボタンは、ONにすると少し声のキーを変化させられる(大きな変化はない)
- 効果音ボタンは、押している間に再生された音声を録音し、ボタンを押すことで録音した音声を再生できる
- マイク入力をヘッドホンに直接モニターできるボタンもあり
いろいろとボタンは多いですが、機能自体はシンプルなので操作に迷うことはありません。OBSなどで認識したオーディオインターフェースとゲーム音の入力音量を調整すればゲーム実況配信などもすぐに始めることができます。マイクやヘッドセットと一緒に購入しても1万円前後あれば十分にゲーム実況環境を作ることができます。
雑談配信をする際はスマホをLINE INで繋いで、好きなBGMを流すのもよいでしょう。
価格なりな部分は多くあれど、高級機と比較してもこれでいい人も多そう
さて、それではメリット・デメリットを整理していこうと思います。
メリット
- 入出力が豊富で、それぞれ音量やミュートが独立していることで操作がしやすい
- スマホやゲーム機に直接USB接続することができる
- めちゃくちゃ安い
デメリット
- 音質や本体の質感などは総じて価格なりで、ハイエンド機種に比べるとチープではある
- ノイズキャンセルやイコライザー、コンプレッサーなどユーティリティソフトには未対応
- 入出力がステレオケーブルメインなのでノイズに弱い
総合評価を一言で表すと、価格を考えると十分に実用的。ということです。音質が劣る、ループバックができないといった機能的な差分は高級機と比べるものではないですが、大半の人は本製品の基本機能でカバーできる用途で使われると思いますし、何よりマイクとセットで購入したとしても1万円前後で一式揃うというコストパフォーマンスの高さは何よりこの製品の強みだと思います。
個人的には例えばゲーム配信をするなら、コンデンサーマイクよりダイナミックマイクのほうがキーボード音など声以外のノイズを拾いにくいのでオススメです。
定番のダイナミックマイクとしてはSHUREのSM7BやMV7という製品が人気ですが、それらを意識したであろうAM8という製品が同じくFIFINEから発売されており、これも8000円ほどで購入できます。XLR接続ができるので普段はミキサーに接続しておきつつ、USB接続にも対応しているので普段と違う環境にすぐ持っていくこともできて便利です。
YAMAHA AG03とSHURE SM7Bを両方買うとざっと7万円ほどしてしまうので、なかなか仕事で配信をやります。みたいなガチさがないと踏み出せない金額だと思いますが、それと比べると性能は劣るものの、性能は7割、価格は2割みたいなイメージで非常にコスパとしては優れた製品だと思います。まずはこれから初めて、満足できないぐらいまで知識と経験がついてきたときにバージョンアップしていく。というのが大半の人には望ましいステップだと思います。
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